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理想のあなた(オリジナル)

sideA

B君は私の理想そのものだった。
そう思っていた。
けれど、それはそう装っていただけだった。
長く付き合うにつれ徐々に本性を現し、理想とかけ離れていった。
財産や身体目当ての付き合いで、そこに愛はなかったのだ。
よくある話だ。
けれど、己の身に降りかかって欲しくはなかった。
愛は容易に憎しみに変わる。
若くて美しい数年を、無駄に過ごしてしまった。
長く付き合って、裏切られた気分だ。
B君は最低の男だと思う。

sideB

彼女は理想を口にする。
それは、ありのままの俺では駄目だと言っているみたいで、言われるたびに凹む出来事だった。
また、時には「B君って、◯◯だよね」などといい、それ以外の選択肢を封殺して誘導しようという空気を感じる時もあった。
彼女は俺を愛していないのではないか。
理想の男を夢想して、幻を愛しているのではないか。
恋する己に酔っていて、現実が見えていないのでは。
俺は最初こそ彼女の理想に近づこうと努力したが、終わりの見えない疲弊感に、冷めてしまった。
彼女はきっと、運命の相手ではなかったのだろう。
とはいえ、長く付き合ってしまっただけに、別れを切り出すタイミングが難しい。

5/20/2026, 12:41:03 PM