とこかげ

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 「言葉の空」
「みなさんも空を見上げてみてはいかがでしょうか」
 日課である天気情報番組を観るたびにキャスターが言う、何気ない一言。気象情報を観るのは好きなのだが、このキャスターの言葉だけは、毎回不安な気持ちにさせられる。
 去年の冬、私は"普通の人間"じゃないことを知ってしまった。誰かと一緒に行動したり、作業したりするのが極度に苦手だと。その日から、空を見上げるたびに、自分が普通じゃないことを思い知らされているようで、どうも気持ちが悪い。晴れていれば、「現実を突きつけている」ように、雨が降れば、「低気圧の重たい空気を押しつけられている」ように。他の天気で、気持ちの良い天気だと感じたのは、最近は無い。もう、空を見上げることすら、無くなってしまった。世間は「晴れるといいことがある気がする」とか、「雨が降ったら、気持ちが沈む」とか、色々感情に結びつけるようだが、私にとっては、晴れだろうが雨が降ろうが、「物憂い空」なのは変わらないのだ。
 睡眠障害という、新たな厄介者を飼ってしまってからは、「現実を突きつけていた」晴れが、「頭を刺すような、罰」として見えてしまっている。
 日課の気象情報は観るのが好きだから、辞められないが、もうあの言葉は聞きたくないから、天気図を観て、スマホの電源を切る、という行動に変わるのは、遠い話では無くなりそうだ。

2/25/2026, 11:51:21 AM