『冬は一緒に。』冬は綺麗だ。緩やかに瞬く君の睫毛に結晶がぼやりと乗って滲む。冬は美しい。普段の騒々しい街が白一色に淘汰される。冬は神秘的。軒先に連なる氷麗に霜柱、積もる雪の落ちる音、そのどれもがこの世から自分だけが取り残されたように思える。冬は可愛らしい。真白に残る小さな足跡が確かな成長を感じる。冬は温かい。何をするにも独りじゃ寒い、三人寄り添って初めて温もる。羽毛布団を被り窓辺に手を突き白を臨む。軈て雪解け春を待つ。
12/18/2023, 5:40:34 PM