毒毒しいネオンの看板、人工灯、店から漏れる光。
夜の都会は昼間のように明るい。
喧騒にまみれて眩しい街をブラブラ歩いていると、
ふわり。
視界の端に翼が見えた。
真っ白な翼。排気ガスでネオンが歪むこの街にはあまりにも似つかないほどの純白。
思わず視線が追いかけるも、もうその姿は無かった。
どうやら昔、この近くで飛び降りがあったらしい。
飛び降りたのは女子高生で、白いワンピースを着て宙を舞ったと目撃証言が入っている。
あれは天使になりきれなかった女子高生だったのかもしれない、と今更ながら思う。
飛べない翼を生やして、自分が死んだ街から離れられずにいるのだ。
11/11/2024, 11:43:10 AM