黒山 治郎

Open App

ふらり ふらりと
玄関から交互に投げ出した爪先
夜の散歩で静けさに輪郭線を忘れ
それでも消えぬ、根深いしがらみ
いっそ誰も彼もを忘れられたなら
本当に自由でいられるのか?

答えと応えのない独白は
暗闇に呑まれてしまった。

なんとなくだが
解っているんだ。

この地上で溢れかえる星灯に
身を置く人生では、叶わぬ話と
遠の昔に思い至っていたのに
自分勝手な私では
生きる事を辞めたいとは
到底、思えなかったんだ。

ー 街の明かり ー

7/8/2024, 11:15:19 AM