無音

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【96,お題:永遠に】

「永遠に生きていたい」

人里離れた丘の上で、砂糖菓子を散りばめたような美しい夜に、誰かがそう願いました
何が彼女をそこまでさせたのか、手を組み、ただただひたむきに願うその様が
神には哀れに見えたのでしょう

星が降る夜に、1人 人間が消えました。

変わりにそこにあったのは、夜風を受けて揺れる1本のハナミズキ
人の気配が失くなったその丘に、月の光のスポットライトに照らされ
美しく佇む、彼女の姿がありました。

11/1/2023, 1:47:17 PM