仏頂面のまま寿司屋に入り受付を済ませると、表示された番号の席に足早に向かった。
ドガッと背負っていた全ての荷を下ろした後、タッチパネルに表示された中で、惹かれたものを欲望のままに頼んでいく。
無造作にかき集めた髪をヘアゴムでひとまとめにして、襟のボタンを緩める。脱いだヒールの上に素足を乗せて休ませていると、注文した品がレーンに流れてきた。
到着した物から順に頬張り、今日の毒も一緒に腹の底へと流し込む。しかし、この毒が排泄物と一緒に私の体内から出て行ってくれたことはない。
いつからか、これは気休めの応急処置だと学習するようになった。
腹が立ち、持っていた箸に力が入ってシャリがボトッと崩れ落ちた。淡いピンクのトップスに醤油が滲んでいる。
大きなため息だけじゃ我慢できず、舌打ちもセット。
おしぼりを手に取ってグリグリと拭き取ったが、広がってシミになる一方だった。
『忘れられない、いつまでも』おしまい
5/9/2026, 1:50:45 PM