涼香

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彼女は「私はもうたった一つの希望でさえもなくなってしまったの。もう生きていく意味がわからなくなった。」そう言いながら僕の前で泣いていた。
彼女はこの屋上で、自分の人生を終わらせようとしていたんだ。だけど僕は彼女にはここで終わって欲しくなかった。これは僕のわがままで、彼女を傷つけてしまうかもしれない。それでも僕は彼女に生きて欲しくて、咄嗟に言葉が口から出ていた「それなら僕が君の生きる希望になるよ!」そう言った瞬間彼女はぽかんとした顔になって、僕もやってしまったと下を向いた。
そしたら彼女の方から小さなくすっという声が聞こえて、「なにそれ」と言いながら僕の方を見て微笑んでいた。

3/2/2024, 2:57:53 PM