大狗 福徠

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春爛漫
眩しいほどの朝、障子を開けて外を見る。
すっかり冬は消え失せて、春が暖気を呼び込んでいた。
庭の花々は徐々に幼気を見せ始めている。
縁側から一頻り庭を眺めた後、茶を入れに台所へ向かう。
生き生きとした新芽の香りが溢れかえる。
半生を共にした、家族と言えるような
植物の子供たちが本格的に芽吹き始めたのだろう。
熱い茶を啜りながら窓の外を見る。
煌々と輝く其れ等はまさに、春爛漫と言えるものだった。

3/27/2025, 6:21:55 PM