憂愁を帯びた青春

Open App

夕焼け雲を見上げると
高く高く
まだ碧い空が続いている
淡いピンク色の雲の隙間から
金色の光が溢れる
僕は今
夕暮れの川辺にいる
夕日の色が
川に映っている
水の表面は
淡いバラ色だが
よく見ると
青く黒く重く
水が流れている
まるで
僕の心のようだ
表面は
明るい笑顔で
内面は
苦しさ
悲しみ
恨みの感情が
渦巻いている
ふと僕はおもう
このまま
川の中に
この全てを投げ出して
自分を消せたら
どんなに楽かと
水に溶かし込んで
消し去りたい
この悲しみも
寂しさも
何もかも
自分の鼓動
生きてる証を聞くたびに
わけも分からない罪悪感で
息苦しい
ガラスのかけらが
心に突き刺さるようだ
出ない涙が
胸の奥
心の傷から溢れ出る
ああ
苦しい
誰か助けて
でも誰にも言えないんだ
僕には
救われる資格なんてない
このまま全部投げ出せたら
あと一歩踏み出せば
このまま水の中に
飲み込んでもらえるのに
だけど
そう思うたび
いつも引き止められるんだ
僕の心の奥にいる
たくさんの霊たちに 
僕は感じるんだ
自殺してしまった少年
生まれてこられなかった子
戦争で亡くなった方の霊
たくさんの人たちの想いを
彼らは
僕が死にたいと思うたび
哀しい目で僕を見つめるんだ
「そんなに悲しむな。君は1人じゃない。」
「私は君みたいな子に生まれたかったよ」
「まだ希望はある。諦めてはだめだ。」
僕ははっと思う
そうだ僕はいろんな命に生かされて生きてる
僕が見つめるこの景色は
僕という存在を通して
今まで生きたかった人たちが
見つめているのかもしれない
この身体も心も
ふと自分のものではない気がする
きっとそれは
僕が
たくさんの人たちの気持ちを
背負っていきているからだ
今までどんなにつらくても
今まで生きのびられたのは
彼らがいてくれたから
「いつも守ってくれてありがとう」
僕がそう思って
目を閉じて祈ると
彼らは優しく
僕を見てくれる
僕と彼らの気持ちは
共鳴している
まるでこだまのように
肩からスッと力が抜けて
重苦しい気持ちが
夕焼けの空に
溶け込んでいく
僕は川に背を向ける
彼らに生かされている限り
頑張って生きよう
諦めたいと思っても
最後まで足掻こう
自分に与えられた使命を
全うしよう
そんな強い決意を持って

10/14/2023, 2:06:50 PM