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時々タイムマシーンを夢見ることがある
未来の自らの姿を見てみたいと思って
だがそれは少し怖いことでもあった

会社で働いて失敗してるんだろう
酔った同僚に馬鹿にされたりもするんだろう

或いは作家になって創作に夢中になるんだろう
そして部屋から一歩も外に出なくなる
腹が減ろうが空気が悪かろうが外に出なくなるんだろう

もしくは街の清掃員だろう
街を歩き回ってゴミを集めて捨てるんだろう

郵便局の局員かもしれない
人々の手紙を集め届けるのだろう

こうして働けず
結局ただの引きこもりになって
親の脛をかじる生き方をしていくかもしれない
それは絶対に避けなければならないのだ

こうして頭の中に存在せぬ無駄に生々しい未来の記憶が広がった
無論それぞれの未来の細かいことは分からない
だがその記憶の主の顔は共通して笑顔であった
作り笑いではない本当の優しい微笑みであった 

よくわからないがきっと幸せなのだろう
未来の記憶ではきっと
幸せなのだ

2/12/2025, 12:38:57 PM