宮平和実

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「イブの夜」

 今は、イブの夜。
 寒いと思って、ガスストーブをつけた。
 窓の外を見ると、雪が降っている。
 「雪だ!」
 平野部でも雪が降るとは、ニュースの天気予報では言っていなかった気がした。窓の外を見ながら、俺は驚いていた。
 部屋のドアをノックする音が聞こえる。
 「お兄ちゃん!今、大丈夫?」
 妹の声がした。
「ああ。どうぞ」
 妹が部屋に入ってきた。 
 「借りていた小説を読み終わったから返そうと思ってさ」
 「ああ。そうか。どうだった?」
 俺は首を傾げた。
 「とても、良かった!このシリーズの小説、すごく面白いね!続編があったら、読みたい!」
 妹は、俺がおすすめした小説を絶賛した。
 「それは良かった!続編あるから、また貸そうか?」
「ホントに?うん!読みたい!」
 妹は、目をキラキラと輝かせながら言った。
 「はい。これ」
  俺は、本棚から続編の小説を出して、妹に渡す。
 「ありがとう!また、読んだら、すぐ返すよ」
 「返すのはいつでもいいよ」
 「分かった!どんな話になるか、楽しみだな」
 「あっ!雪が降っているなぁとは思っていたけれど、少し積もってるかな?」
 妹が窓の外を見ながら言った。
 「そうだな」
  俺は、頷きながら言った。 
 窓を見ると、雪が少し積もっているように見える。
 「雪だるま、作りたいんだけどな」
 妹がボソッと言った。
 「ああ。お前、昔、家族で、祖父母の家に泊まりに行って、小さい雪だるま作るのが、好きだったよな」
 俺は、思い出しながら言った。
 「そうそう。小さい雪だるま作るのが楽しかったんだよね。お兄ちゃんも楽しそうに作ってたよね」
「あれは、お前が雪だるまを作っているのが楽しそうで、俺も雪だるまを作ったらめっちゃ楽しかった」
 笑いながら俺は、言った。
「そうだったんだ」
「雪がどれだけ積もるかは分からないけど、昔みたいに小さい雪だるま、作ろうか」
 「お兄ちゃんも一緒に?」
 妹は、嬉しそうに笑った。
 「じゃあ、朝に雪だるま作ろうよ!」
 「ああ。分かった」
 「じゃあ、おやすみなさい!あっ、メリークリスマスイブ」
「おやすみなさい。メリークリスマスイブ!」
 お互いに言って妹は自分の部屋に戻った。
 妹が部屋に戻って少したったあと、小説を読んでいたら、俺は、眠くなってきた。
 「明日はクリスマスか」
 独り言をつぶやき、ベッドに入り、眠りについた。

 朝、小さい雪だるまが作れる量が積もった。
 妹は、楽しそうに小さい可愛らしい雪だるまを作った。
 俺は、少し 歪な 小さい雪だるま になってしまったが作っていて楽しかったから良かった。
 クリスマスイブの夜から クリスマスにかけて 良い思い出になったと俺は思った。
 



 

 
 

12/24/2024, 2:56:50 PM