はた織

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 今日という日をどこかに行って欲しくなくて、必死にスマートフォンのメモに書き残しているが、書けば書くほど、自身の記憶力の浅はかさに嘆き、今日という日を全て描きれずに悔やむも、それでも何か書かねばならないと私の指は止まらず、かと言って疲れて、独り言に文章にならない舌足らずな言葉をボロボロとこぼしていき、記憶の片隅にある鮮明だった思い出を引っ張り出そうにも、その描写に見合った言葉がまず出てこないので、どんどんと思い出は色褪せていき、確かこうだったかと自分の記憶を怪し始めるも、本さえ読めぬ日があるから、自分の記憶も読みきれぬ日もあるだろう、けれども、そんな日が今日であって欲しくなかった。
            (250622 どこにも行かないで)

6/22/2025, 11:50:07 AM