愛と平和
シリーズ小説ですが過去作手直し中なのでタグ表記控えます。お題は雰囲気かな^^;
誰も来ない時、病院の個室は静かだった。横になっていることしか出来ない日には見慣れた窓の外をただ見ているだけだった。それもだんだんと飽きてきて、目を閉じて近くの音に集中してみた。
点滴の機械の音、窓の外の鳥の声、扉の向こうから来る看護師の押すワゴンの車輪、遠くの部屋から聞こえる話。
毎日少しずつ、遠くの音が聞こえるようになるのが楽しかった。そのことを両親に話したら嫌な顔をされたので、それからは「ナイトさん」と、二人だけの秘密になった。枝の上で過ごすようになってからも、目を閉じればたくさんの音が聞こえてくる。
「人の話をあまり勝手に聞いてはいけないよ?」
ナイトさんからそう言われていたけれど、どうしても気になってしまい目を閉じて声を探した。
「くろちゃんどこかな…」
低くて落ち着いた心地のいいその声を探せば、賑やかな音に混じって耳に届いてくる。
(誰と話してるんだろ)
友達だろうか。なんだか楽しそうだった。くろちゃんの声も、知っている音とは少し違っていて…。
「…なんか、むかつく」
気持ちがざわつくのを感じた。
――
「…それで泣いていたと?」
「だって、僕だってくろちゃんと話したいのに…」
ナツユキのため息が聞こえて、何故だかそれにも腹が立った。
「ただの…ではないか」
「?」
小さな声で呟くように言ったのでよく聞きとれなかった。何て言ったのか確かめようとナツヒコの方を見るといつの間にか近くにきていて、引き寄せるように軽く抱きしめられた。
「…大きくなったものだな」
その声は笑っているようだった。理由のわからない感情は、まだ胸のあたりに残っている。それでも風の匂いに包まれているうちに、自然と瞼が重くなっていった。
(後書き。)
ぶろまんすですよー
フラグ回収してないのあとなんだっけ^^;
最近「クロちゃん」と書いていて、脳内に「ワワワワァ〜」な方が浮かんでくるようになったので、平仮名に変更しました。
3/10/2026, 10:43:07 PM