愛子

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人魚


ガリガリと、赤い鱗のような肌を粉が舞うほど掻いた。
油断してはならない。本当は掻きむしるべきでも無かった。
赤ん坊のころベビーパウダーすらも拒絶した肌は15歳になった今も、薬局の化粧水を拒んでいる。
顔はうねうねと攀じるミミズのように腫れ、一部には象のような瘡蓋ができていた。
皮膚科の薬を擦るように塗る。じんじんと熱い痛みが気休め程度に和らいだ。
しかしそれにすら無性に腹が立つ。
強く手を握りまた開き、掻き毟りたい衝動を苛々とした感情に変えた。
開いた手のひらは仄かに色づいている。
いま全身は真っ赤なのではと思うと、薄く笑いが込み上げてきた。
上がった口角は頬の荒れた皮膚を引きずる。
ぽたりと液体が垂れたのは無意識で、頬を伝う海のような塩水は、ピリピリと肌を痛めつけた。

3/13/2026, 3:37:00 PM