きれいな星空だな。
薄れゆく意識の中、そう思った。
今日、いじめてくる加害者共に、親が寝静まる深夜に屋上に呼び出された。いつもみたいに殴られ蹴られていた。ただ、いつもと違うのは、そいつらに突きとばされたとき、屋上のフェンスにぶつかった衝撃でフェンスが壊れて頭から転落したことだ。
ただ、幸いなことに、即死ではなかったことだ。あいつらが私が自殺したと言い訳できないように、俗にいうダイイングメッセージを書くことができた。ばれないように、私の体で隠すことも忘れはしなかった。
どんどん視界がぼやけてくる。
いじめられてばっかりのくだらない人生だったと、自笑する。高校生になったら青春出来ると言ってたのは、一部の人間だけだ。それ以外は、いじめや虐待などで苦しんでいる人達が山ほどいる。
あいつらの慌てる声と足音が聞こえてくる。ヤバい、これどうしよう、まじで私達逮捕されるじゃん!という焦っている声が聞こえてくる。いい気味だ。精々、地獄へ行くまで苦しめ。自殺なんてして、自分が犯した罪から逃げるなんて許さないからな。許すつもりはないけど。
もう死ぬな。そう確信したときには、もうほとんどがぼやけて何も見えなかった。
最後にただ一つ、心残りがあるとしたら。
お父さん、お母さん、先に死んじゃってごめんなさい。先立つ不孝をお許しください。
私は静かに目を閉じた。
4/3/2024, 3:21:46 PM