重ねるふわりとした口唇。
甘い酸っぱいストロベリーの香りがして、ふわりと舌が絡むと口移しされる甘さよりも強い酸っぱさに眉をしかめる。でも彼は離してくれなくて、ちゅぶっ、ちゅっと音を立てながら舌で貪ると、息継ぎに離した瞬間を狙って女は男から引き剥がす。
「うえ、酸っぱくない?今回の苺すごく酸っぱいよ?」
「パフェ用だからいいんです。甘いソフトに合わせてたらゲロ甘だろうが。まあ俺は苺も甘くてもいい方だけどね」
「あ、ごめん、さっきのパフェ間違って酸っぱい方使っちゃったんだよね…!ごめんね!」
なんて店員が零すと手のひらを返したかのように悪態を男はついた。
「はー?マジかよ俺の金返せ」
「もちろん今回のはチャラで、次きた時には違う苺でのパフェ作るから、内緒にしてくれると有難いかな。こっちの不手際だし」
そんな魅力的なことを言われて我慢が出来る彼では無い。
「うーっす。よろしく。明日またくるから頼んだわ。お前も内緒にしてろよ」
男にすると喜ばしい事になったようで、秘密はしっかり守るようにと、女はそれこそ口を酸っぱくして言われた。
それこそ酸っぱい苺のパフェを食べきったあとにまた接吻けられれば、ふたりの秘密はとても口が酸っぱかった。
ストロベリーパフェごときにぃっ!って彼女は叫ぶ
5/3/2024, 1:35:36 PM