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今までの私は何も無かった。
朝起きて、ご飯食べて、仕事をして、帰ってきて、同じことの繰り返しをしていた。
「今日もカップラーメンでいいや。」
全てに興味が無くなった。
ただ心に寂しさと穴が空いていく。
そんな時、黒猫にあった。
「黒猫…可愛いな…。」
指輪を落として行った。
「あ…。」
金色に輝く指輪はとても綺麗だった。
何を思ったか、私は指にはめてみた。
その瞬間、意識が無くなった。
目を覚ますと、知らない天井があった。
「あ、おはようございます。主様。」
主様…?
「主様…って誰のことですか…?」
「おや、少し混乱されているみたいですね。
主様はあなたですよ。」
私は夢を見ているみたいだ。
こんなイケメンが、私に「主様」だなんて。
「これからよろしくお願いしますね。」
「その…あなたのお名前は?」
「私はベリアンです。何なりとお申し付けくださいね。」
軽く笑った、そのベリアン…さんは。
とても綺麗だった。
これが、私と執事たちの出会い。
色々と話され、私は主になることを承諾した。
この瞬間から、無色の世界に色がついた。
「…………よろしくお願いします。」
この時、私は、泣いてしまったかもしれない。
でも、この涙は…いつもより暖かかった。

4/18/2024, 11:03:07 AM