ボトンボトンと一個一個産み落とす。夜の砂浜には、わたし以外誰もいない。月の光が、わたしと愛らしい天使たちの行く道を示している。
どうか、この子たちの未来が、明るく照らされていますよう。そう願いながら、わたしは穴に産み落とす。視界はだんだんとぼやけていって、光がかすんでいく。
命をつなぐ。未来につなぐ。遺伝子を組み合わせて、はずして、くっつけて。そうして営んでつむいで、まずは十年先も、わたしたちが生き残っていればいいなと、そう思った。
わたしたちウミガメが産卵のときに泣くのは、塩分を排出するためです。豆知識。
10/10/2024, 1:33:54 PM