せつか

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生きるというのは、天国と地獄を行ったり来たりすることなのかな、と思う。

例えば自分へのご褒美としてプリンを食べるとする。
プリンを食べてるその時は天国だけど、その後でお腹を壊したら地獄になる。そんな感じで、天国と地獄を行ったり来たりしながら、最期にどちらに傾いていたかを振り返って、人は自分の人生を総括するのかな、と思う。

――今の例え話のプリンのように、些細な天国と地獄ならいい。恐ろしいのは、自分ではどうにもならないもののせいで取り返しのつかない結末を迎えてしまうこと。

行ったり来たり出来ない本当の地獄の入口は、きっと私のすぐそばで、気付かれぬように密かに、でもぽっかり大きな口を開けている。
すぐそばにある本当の地獄に気付かないまま、行ったり来たり出来る天国と地獄を繰り返し、「ああ良かった」で人生を終えられるだろうか。

いつか来るその日を、私は恐れている。


END

「天国と地獄」

5/27/2024, 3:05:27 PM