「我こそは…」
そう名乗りをあげようとする敵将の背後に回り込み、一刀のもとに首を落とす。物言わぬ骸となった彼はその場に崩れ落ちていく。これまでに何千何万と繰り返してきた所作に同じ数だけ目の前で起こった光景だ。何の感慨もなく刃についた血を僅かでも落とせるように振って再び構える。
傍から見れば私の存在は死神というやつなのだろう。そのことについてはあながち間違ってもいないし否定するつもりもない。
ただ私にも私なりの信念があり、それに基づいて行動しているだけだ。
私の夢は誰もが自由に暮らすことができる理想郷をこの世界に作ること。そしてそれを叶えてくださるのが私が主と慕うあの方だ。
この夢を叶えるためには障害があまりにも多すぎる。その代わり同士たちは頼もしい者たちばかりだ。だからこそ私も他の人達に負けじと今日も戦場を渡り歩きその刃を振り下ろす。いつか私たちの理想郷ができるその日まで歩みを止めることは決してない。
10/31/2024, 1:33:50 PM