信号
子供の時、うちの町の信号は夜の9時になると点滅になった。今はどうやら11時くらいまでは頑張ってるみたいだが。
私の住んでいた家の前には国道があり、向かいは祖父母の家で、よくそこて夕飯をご馳走になった。
帰り道はその点滅した信号を無視して右左の確認をし、道路を渡るだけ。
その時に、父が手を繋いで.よくおまじないをかけてくれた。
「鼻の油をちょいとつけて〜」
と言いながら自分の鼻をちょっと触り、私の鼻にちょこんと触れる。
普段はいない父と触れ合う数少ない時間だった。
そして、そのおまじないが何に効くのかはわからないがとにかく嬉しかった。
そのおまじないは、幼かった私をきゅんきゅんドキドキさせて、今の私には、泣きたくなるほどの想い出として魔法をかけていたのだ。
鼻の油をちょいとつけて〜
9/5/2025, 2:28:02 PM