瑠唯

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あ、落ちた。

新たな雫が落ちる。
新たな生命が生まれる。

雫がだんだん地面に近づく。
生命が年を取る。

雫が地面に落ちて消える。
生命が地に帰る。


雨が降っている。
この一瞬ひと粒の雨でも沢山の命が平等に動いている。等間隔に雨が振り地に帰る。
このひと時、世界が一周する。
貴方はだあれ?
問いても、皆消えゆく。






あるところの国宝には神器がある。
この神器は古の聖女が、女神と仲良くなり授けられたという。
一つ雫が形成され長い年月をかけて落ちる。
それだけだった。
なんの用途に使うのか、雫はどういった物なのか、
王室は調べた。
しかし、分かったことは雫は何らかの物質でこの地には無いもの。
聖女は女神に用途を聞いた。
その後聖女は用途を話さなかった。
雫が落ちるのみと結論付けられた。



一人の研究者がいた。
その研究者は未だ解明されてない雫がなにかべることにした。
今の王様(56)に許可をもらい文献からその日の違いまでじっくりと調べた。
この雫が新たに形成され始めたのは約55年前
そろそろ雫が落ちそうだ。
文献は残ってなかった。
それ以外何も分からなかった。
雫はもうすぐ落ちそうだ、なぜ落ちないのだろう?
不思議で仕方がない。

それから四年が経った、さらに落ちそうな雫はまだ落ちない。
いつ落ちるのだろう。
今できることは落ちる雫を持つことだけだった。

あれから三ヶ月、ついに雫が落ちた。
そのすぐ後に王様がなくなったとしらせが入った。
国民は嘆き悲しむ中研究者は一人雫の用途に気づいた。
王様が亡くなったとされる時間と雫が落ちる時間は全く一緒だった。
これは人の生きる時間が見える雫だった。
次の雫はまだ形成されていない。
王様がいきなり亡くなったため、王妃様の赤子はまだ生まれていない。
しかしもうすぐだ。
この説が正しければ次生まれてくる王子様と同時に雫が形成されるだろう。
国庫から、研究費を捻出してもらっている我が身だがこれを発表するのは、なかなかあぶない気がする。
もし、雫が落ちるスピード等変わるのならば様々な陰謀が謀られるだろう。



結局このけんきゅうはシッパイしたとされた。




  
     
               雫





久しぶりです。
王様の王様は結構元気だった。
ピッチドロップ実験を参考にしました。
面白いです

4/21/2024, 2:37:40 PM