「…あ雪…」
『雪なんざではしゃぐなガキか』
『雪って面白くね!?積もるか〜?積もったら雪だるま作ろーぜ!』
『風邪ひくだろ』
しんしんと降ってくる雪を眺めながら思い出す。
アイツとは話せねぇのに。
「もう冬になっちまったよ」
また、またアイツとくだらないことで笑えるように、
オレがどうにかしなきゃって。
頑張らなきゃって。
でも、オレが何かを成し遂げる時、
隣にはいつもアイツがいた。
「…慣れねぇなあ」
この涙が零れ落ちたらなんか負けな気がして、
男の子だから、オレは男の子だから、泣いたりしねぇ。
誰にも気づかれないように、
ダウンの袖で雑に顔を拭った。
雪の中の静寂には、静かに鼻をすする音が響いた。
【雪の静寂】
12/17/2025, 1:41:58 PM