手袋をしてマフラーを巻いて真っ白な世界の中で雪だるまをつくった。その夜、コンコンと窓を叩く音がした。見ると、つくった雪だるまが立っている。疲れているのか幻覚なのか自分を疑ってる間に言った。「なにか叶えてほしいことはあるかい?」と。びっくりして「ずっと健康でいられるように身体を強くしてください」とっさに出た言葉だった。実はこの子は小さい時から病弱で外に出たことがなかったのだ。春のさくらも秋の紅葉も家の中から見るだけで淋しい思いを重ねてきた。今日初めて叶ったひとつの夢。嬉しくて嬉しくてたまらなかった。それを知った雪だるまは、「今までたくさん耐えてきたんだね」そう語りかけた。するとその子は涙があふれ子どものように声をあげて泣いた
自分の頑張りを認めてくれる存在に出会ったのがはじめてだったから…それから雪だるまは「3つまで叶えてあげるよ」と続けた。けれど今は思いつかない。どんなにつらい人生でも、生きることを諦めたくない。そう思ったその子は「これから生きる時間の中でゆっくり見つけていくから見守っててね」そう言った。雪は日が経てばいずれ溶ける。それを分かっていながらも
心を信じてみたかった。目には見えなくなったとしてもずっとそばにいてくれる、そう思いたかった。もし、願いを叶えてくれる雪だるまが現れたらあなたはどんなことを伝えますか?
12/12/2025, 11:13:07 AM