真夜中、そろそろとベッドから抜け出したら、
手当たり次第に本を引っこ抜いて、
卓上ライトをかっさらってベッドに戻って。
掛け布団に潜り込んで自分の体と卓上ライトで空洞を作り出して。
そしたら飽きるまで本を読んで。
ちゃんとジャンルごとに分けたから適当でも大体は冒険記の本になってる。
そうやってしてたら、だんだん自分も冒険してる気がしてきて好きなんだ。
僕は外へは出れないからこうしてる。
体が弱いのはどうしようもないけど、それで諦めてやれるほど可愛い僕じゃない。
精一杯抗って、外のことを考えて、いつかの未来に期待するくらいの可愛げはあるけれど。
ほんとに外を歩いた人たちの本。
洞窟へ潜ったり、山へ登ったり、森を開闢したり、
今の僕には到底できないことを見れる本。
今日も見るしか出来ない外を夢に見れるように本を眺め続ける。
記憶に強く残ったものを夢に見るなら、今日だって外の夢を見れるはず。
もし夢に見れたら、そうしたなら。
僕は嬉々としてまた冒険するんだ。
2/25/2025, 11:04:51 AM