始まりがあれば、それに相応しい終わりがある。
私達は全く別の世界から召喚された寄せ集めのパーティーだった。
そこに住む人間の王に魔王討伐という汚れ仕事を押し付けられて、よくわからない奴等とよくわからない縁もゆかりもない世界の、クソどうでも良い闘いに強制的に参加させられた。
元の世界に帰る為、慣れない異世界で私達はガムシャラに武器を振い、目の前の「敵」といわれた者を屠った。
数十人居たパーティーは半月で私を含めて五人になった。
魔王の城に近付くにつれ物資の供給が滞るようになり、仕方なく殺した敵の肉を焼いて飢えを凌ぐ。
生き血を啜り、死骸をバラして肉を食い荒らす。不味い。
見知らぬ魔王よりも、この世界の人間に腹が立った。
魔王の死体を土産に王都へと帰還する。
良く研いだ長剣の刃が陽を浴びて青く閃いた。
テーマ「旅路の果てに」
1/31/2024, 5:00:38 PM