君の天国は私の地獄のもとにできている。
貴族の君と貧しい労働者の私。柔らかくてしなやかな君の手と、あかぎれだらけの私の手。
はなから生きる世界が違うのだ。君のその柔らかさに私は癒されて、なけなしの自尊心を傷つけられる。
君はなぜか私のことを好きになってくれたみたいだけど、心と身体が求めたって私たちがわかりあえることは一生ないよ。
少なくとも、君が幸福であるうちは。
せめて君の地獄が私の天国を支えてくれたのなら、私たち初めて目線があうのに。砂金ほどの君の悩みも聞いてあげられるのに。
5/28/2023, 1:54:37 AM