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「にゃあ、にゃあ、にゃあ」
「はいはい、ちょっと待ってね」
足元にじゃれつく君の要求を浴びながら、私は餌入れにキャットフードを注ぐ。上には、君の好きなちゅーる。
餌入れを持ってしゃがむ前から、後ろ足で立って餌入れを覗こうとする君を少しだけ牽制する。不満げな君の前に、餌入れを置くと、勢いよく食べ始める。
その姿を見ながら、ふと思い出す。
『なんか最近付き合い悪くなったよね』
仕方ないじゃん、この子の餌をあげないといけないんだし。
この子、寂しがりやだから、土日ぐらい一緒にいてあげたいじゃん。
「……でもダメなことばかりじゃないんだよね」
平日も早く帰りたいからって、仕事を頑張ってたら、上司がそれを認めてくれて。
「ふふ、今度昇給するんだよ。上がった分で、君には何かお礼しなくちゃね」
そう言って私はキャットフードに夢中な君の背中を撫でた。

「猫飼い」/君と出逢ってから、私は・・・

5/6/2023, 2:34:27 AM