「秋の恋」
お気に入りのカーディガンを羽織って
いつものカフェのいつもの席で
ホットミルクティーとワッフルと
湊かなえの本を読んでみる
バニラアイスが溶けるのを気にしながら
ミルクティーを一口飲んで
本のページをめくると
銀杏の木漏れ日が差し込んで
時間をゆっくり溶かしてしく
冷めたティーポットとカップがテーブルに並んで
賑やかだった店内がいつのまにか静かになる頃
お会計を済ませて軽く会釈して店を出た
薄暗くなった街に1人
頬を抜ける風は少し肌寒くて
空に浮かぶ青白く光った満月に照らされて
「今すぐに君に会いたい」と心の底から思っていた
10/10/2025, 8:29:22 AM