本棚の隙間

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息をするたび 喉に詰まる感覚がある。
水の中みたいに苦しい。
誰かと過ごすわけでもなく 教室の隅で本を読んでいた。
密かに 君を見ていると 胸が高鳴る。
何もいらない 何もいらない 何もいらない。
君は君のままで生きて その様を僕の手で書きたい。
飾らない君が好き。等身大の君がいい。
深海に射した光のように眩しく 僕の手で壊したい。

光に群がる蛾のように 愛に飢えている君。
学校では擬態している。まるでタコのよう。
息苦しいだろう 息苦しいだろう 息苦しいだろう。
君は上手く隠しているつもりでも 僕は知っている。
君の中にある 深海を僕は書きたい。
君は等身大でもきれいだ。そのままでも魅力だ。
だから中心にいる 君を僕は殺したい。

僕は何もいらなから 君にあげる。
その代わり君は僕の主役(ヒロイン)だ。
物語を紡ぐ 君だけの酸素(ラブレター)を。

飾らないで 等身大でいて そのままでも魅力だ。
僕は君を書く 君は僕の前で演じる。
最高の主役(ヒロイン)を。

君以外は何もいらない。

4/20/2024, 6:02:22 PM