騒々しい都会の中で静寂を探すのは難しい。
二十四時間車の音や、人の音が溢れている。
家の中にいても時計の音や電子音なんかも聞こえてくるからね。
なにより、静寂の中心に居ても〝静寂の音〟が聞こえる。
やっぱり静寂を探すのは難しい。
寝室に戻ると、先に眠っていた恋人がタオルケットにくるまって眠っていた。
彼女の隣に横になると、すうすうと寝息が聞こえる。
ほら、静寂を探すのは難しい。
俺は自然と口角が上がる。愛しい寝息を子守唄にして瞳を閉じた。
おわり
五〇九、静寂の中心で
10/7/2025, 12:50:29 PM