集中なさいとシャーペンの頭でつつかれて
慌ててノートに目線を戻した
「どんなところに惹かれるんだい」
「きらきらしてて優しい所」
「アレは化粧の賜物で、八方美人の渾名だが?」
「そういうことじゃない」
「……心や精神性なぞ目じゃ分からんと豪語していたな?」
「そういうことでもない」
「恋は盲目?」
「似てるのは認めるが違う」
「じゃあなんだい、勉強会ほっといてまで夢中なのは」
「……きらきらしてるだろ」
炎天下のグラウンド、部活に勤しむ人々は
皆汗だくで煌めいて
「それで優しいだろ」
後輩にはマメに休ませる癖、一人先生や先輩との軋轢に走る背中
「……ああ、成程」
酷薄な目が窓へ向く
心底憐れんだ声が言う
「お前、アレを獲物と見たな」
<胸が高鳴る>
外から来た人が言いました。
此処はおかしいと。
連れていくから逃げようと。
私は首を傾げました。
別におかしな事なんて無かったから。
外から来た人が言いました。
そんなものは食べ物じゃない、
そんな仕事は危険すぎる、
そんなーーを崇めるなんて、
あ、と
思った時には、
外から来た人は、
今日は新鮮なご飯でみんな嬉しそうでした。
私には釣りの才能があるそうなので、
明日もご飯を釣りに行きますね。
<不条理>
3/20/2024, 11:02:28 AM