小絲さなこ

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「覚えてないから、ずっと続いてる」


君に恋したのは、いつなのかなんて、覚えていない。
物心ついた頃には、すでに隣にいて大切な存在だったから。

初めて君にときめいたのも、いつなのか覚えていない。
だけど、今でも毎日のように君にドキドキしている。

「はいはい、わかってるから」
君はそう言って笑う。


そりゃそうか。
俺たちの娘は、もう高校生になるんだし。
さすがに聞き飽きたのかもしれない。
俺は言い飽きてないんだけどな……
明日からはちょっと言い方を変えてみるか。



────初恋の日

5/7/2024, 2:36:18 PM