しんしんと雪が降り積もる。辺りはすべて白に染まり、どこから来たのか、どこへいくべきなのかも分からない。ほぅ、と息を吐き出した。その息もまた白く、悴む指の赤が目についた。「あぁ……」溢れた声は白が掻き消し、何一つ残らない。とても静かだ。雪は降る。指の赤すら、白に染めていく。唇が震えるが、声は出なかった。きっと、雪が飲み込んでしまったのだろう。
12/18/2025, 10:08:43 AM