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街の明かり

 夜8時、私と彼は車に乗っていた。犯人グループの足取りを掴むための張り込みだ。私は怪しい建物を見るふりをして、彼の横顔を盗み見る。彼は建物の方をじっと見ていて、視線には気付いてないみたいだった。車の明かりは付いてない。今私たちを照らしているのはそばにある街灯のひかりだけだった。薄い茶髪が光によって透けている。私は少しの間だけそのまま過ごした。

 

 それからほんの10分後、建物から人が出てきた。いかにも怪しげな恰好をしている。資料で見たけど。
「行こう、エミリア。」
 彼が銃を手に取り、ドアを開ける。
「はい、警部」
 私も続いてドアを開けた。男を、彼を追いかける。私よりも低い位置にある頭を見て、肩を見て、決意を新たにする。この人は私が守らないと。
 かつて彼がそうしたように。

7/8/2023, 11:21:57 AM