ぬるい炭酸と無口な君
自分は、それ程年寄りではないけど…
この年になって振り返ると幾人かの大切な人達を見送ってきた。
忘れてしまってほとんど思い出すことのない人、
忘れたつもりなのに突然夢に出てくる人、
気づけばいつも何処かで探し続けている人、
時々側に温もりを感じる人…
それらはまるでぬるい炭酸…
気は抜けているのに存在感ははっきり感じられる。
何か問いかけても、夢に突然出てきても貴方達はいつも無口。
自分もいつかは消えて…何処に逝くのだろう。
炭酸の泡のように空気の中に人知れず消えて生滅するのかな?
胸の奥の熱い想い
血が滲むほどの耐え忍ぶ辛さ
腹の底から絞り出す叫び声
今此処にいて自分を感じ、肌で生を感じ、心臓の鼓動を感じる。
時の流れは、時に優しく、時に残酷で
気づかないように緩やかに鈍感にぼやけていく。
その御蔭で感受性もぼやけていくから、どれだけ自分が崩れていってもわからない。
忘れた事も忘れ果て、忘却の彼方
ぬるい炭酸の泡
無口な自分
穏やかな生と死の狭間
8/4/2025, 7:00:23 AM