梨
亡くなる前は、おじいさんはもうボケてしもて。
悲しそうな声で、自分を告発するかのように話は続く。
お母ちゃん、お母ちゃんて何回も言うて、ご飯食べたのに、お母ちゃんご飯は?って何回も何回も。
もう、おじいさんなんか死んだらええのに!って言うててんけど。
たまに、真面目な顔になって、お前、俺のこと死んだらええと思ってるやろって言うてて。。。
涙は枯れてしまってもう出ないようだった。
これは、私がばあやんと慕う人が話してたこと。じいやんは最期は認知症が進んで大変やったらしい。
じいやんは亡くなってしまって、ばあやんは自分を責めてた。
私は優しいじいやんと、ちゃきちゃきしてたばあやんを知ってる。
この話を聞いた時は、申し訳ないが、ドリフみたいやなーと楽しげに相槌をうってた。
そしたら、ばあやんも少し、楽しげになっていったから、私は嬉しかった。
ばあやんもじいやんも、鳥取の人で、昔は2人から梨をもらった。初めての20世紀梨。みずみずしかったなー。
もっと話を聞いてあげたかったけど、色々あって、ばあやんの最期には会えなかった。
どこの家庭も家族の関係って難しい。シンプルにならなくて。結局、私はばあやんとは血が繋がってなかったから、蚊帳の外になっちゃったな。
なにか行動を起こした方がよかったのか、今はとなっては何にもわからないけど、
じいやんも、ばあやんも、今でも大好きです。
小さい頃から、たくさんたくさん可愛がってもらった。本当にありがとう。
2人とも、辛かった身体から解放されて幸せになってることと信じてる。
まだまだ私はこっちで頑張るわなー
10/14/2025, 12:48:40 PM