令和7年4月9日
お題 「元気かな」
「まだ見ぬ、波濤」 作 碧海 曽良
1989年6月
まだ、梅雨は始まっていなかった。6月の日差しに咲き始めた紫陽花が暑そうにしている。之子は会社の保養所がある奥多摩市の温泉にいた。新入社員研修がこれから一カ月行われる四月に新卒入社した者の研修が終わり、6月の一カ月は中途採用者の研修、中途採用者は今年度の前期ボーナス支給後の7月からの正式採用となる。だいたい、新卒入社の者が最初のボーナスを貰い続かない者は退社する。その補充に6月研修の中途採用者が充てられる。パワハラもカスハラも何の決め事も無かった時代であったが、社員の福利厚生は終身雇用前提の時代は至れり尽くせりであり、会社は家、上司は親戚の親父様、同期は兄弟姉妹であった。
之子は、祖母との約束を破り2年で前職を退社し、なごり雪の除去を目的に東京に乗り込んだ。勿論、祖母、母は猛反対だ、暫く帰省は出来ないかも知れない。桐子が幹事をする平成初の同窓会には出席したいのだが、仕事も7月から腰を据えてかからなければならないし、「今年は、帰れないかも知れないなぁ」と、夕刻になり、梅雨のはしりのような湿った空気と俄に掻き曇った空を眺めて呟いていた。紫陽花が生き生きと空に向かって両手を広げているようにシャンと葉を広げ首を立てていた。雨を待ち雨を喜ぶ命もある。之子の脳裏に水を張った田園を渡る風が吹いた。やはり、之子はこの時はまだ、帰省する帰ることばかりを考えている、田舎娘であった。
研修は、はじめ1週間は会社の保養所がある温泉つきの宿で社員同士の親睦を兼ねて、緩いペースで進められ、その後2週間は本社勤務各部署を周り、最後の1週間は店頭にて販売研修。そして配属が決まる。
之子は研修で仲間も出来た。
横浜横須賀生まれで実家は、この頃流行り出した百円均一ショップを何店舗か経営する父を持つお嬢様の木暮美智子さん、凄く之子から見ると垢抜けている、東京を絵に描いたような…いや、彼女は神奈川県民で前職も神奈川県であるのだが、何故か之子にはTHE東京な美智子さんなのであった。そして、もう一人仲良くなったのは、之子が生まれてはじめて見る生粋の関東ボーイ。藤木くんも神奈川出身、藤木くんとの出会いは、ひとつの衝撃であった。関東の男の子と話したことが無い訳ではなかったのだが、之子には柔らかすぎる藤木くんの言動で彼を随分長い間、オネエいや、もっと深刻なやつなのか?と思っていたからだ。1989年ようやくニューハーフという言葉がテレビで使われはじめて一般人も口にする様になった頃である。
こうして、研修は恙無く、最終段階の売り場研修になった。DCブランド全盛期は、とりあえず洋服は高くあることが不可欠、百貨店ブランド全盛期の時代、ハウスマヌカンという職業にウインドを飾るだけの人ディスプレイアーチストと、とりあえずカタカナ職業がもてはやされた時代だ。
之子も、そんな若者の一人であった。
新入社員研修最終プログラム、売り場研修は
この三人は同じであった。
渋谷のスクランブル交差点沿いに建つ、若者の聖地みたいな百貨店が、鶫 之子の新しい居場所であったが、まだ、スクランブル交差点を真っ直ぐ行きたい方向に進めない之子は、渋谷駅構内から出れなくなったりして何度も遅刻を繰り返し東京の洗礼に打たれるのである。
鶫 之子22歳の夏は、こうしてはじまった。
つづく
「元気かな」
有り難う、それが元気じゃなかったのよ(笑)
久々に風邪をひき、熱が出て寝込んでたわ2日くらい、やっと回復。
寒暖差の激しいおり、皆さまもお気をつけください。
元気かな 思い託すは 花言葉
碧海 曽良
後書き
いや、端折りすぎだってwww 何年分かの青春の日々を大切な大切な恋をたった400字にも満たない文字に置くなんて可哀想だわ〜。勿体ないわ〜。本当に、パクるならも少し上手く花咲かせって思うわ〜(笑)🌾🌾🦜🌙 春を桜まで気づけないなんてボケてるよwww 小さな春は初春って言って立春「2月」は春ですよ〜。ぷぷっ。
日本人なら気づくと思いたい。
未だに国家公務員役人崇拝というのがあるのか?と思った、なんとも古臭い言葉だ。
役人たるものたとえ心中に、気位、プライド、見下しあったとてそれを顔や🤬←言動立ち振る舞いに決して出してはならないのが、血税で雇われている人の知性であると思いたい。もちろん血税で養われている家族とて同じだ。しからば、崇拝者は、国家公務員への憧れか?生活困窮者、生活保護申請者、社会的弱者などは公務員様々にしなければ生き辛くなる一方であるのであろうから。故に公務員は知らずと人を見下す資質を身につけるというブーメランかwww。100歩譲って世間を欺く心中の吐露に仮面をつけて、国家公務員役人崇拝をやりたいのか?はたまた生活困窮者のどちらかか、何かしらの団体ということになるのであろう。どちらにしろ、過ぎたるは及ばざるが如し歪みが透けて見える。
話を聞いてあげる…メンタリストセラピストセンセー様?これまた上からで🌾🌾ボーボー草燃える笑笑 自分の道は自分で踏みしめるしかないのであるよ、泣くのが嫌なら歩くしかない。他人様のこと解ったような面で「そーだね、そーだね」なんて言って、言ってる方が気持ちよくなっても、その人に寄り添うにはならない。「そーだね、そーだね」言ってる方が気持ちよくなってるだけだったりするからねwww
4/9/2025, 11:32:51 AM