「なんでずっとそばに居てくれるって言ったじゃん!!もういいよ何も聴きたくないから」
電話を切ってからもやりきれない感情が永遠に湧いてきて傍に置いていた大切な花瓶を床に倒した。ガチャンと静まった室内にガラスの割れる音が響く。
電話口で大好きな人に別れを告げられた。
唐突すぎる別れ話だった。
「こんな花受け取るんじゃなかった…」
花瓶には彼から貰った白い花弁にうっすらと紫色の線が入った花を活けていた。
一緒に街を歩いている時に通った花屋さんで思わず綺麗な容姿に惚れ込んでじっと見つめていたら彼がプレゼントしてくれたものだ。
「この花すごく綺麗…なんて名前なんだろう」
「Springstarflowerっていうらしいよ、ほらここに名前書いてある」
「春の星の花か、すっごく名前も素敵な花だね」
なにがSpringstarflowerだ、春の星の花?ふざけないで欲しい。店員さんが「この花の花言葉は星に願いをなんですよ〜」なんて笑って言っていたから彼との将来がずっと続くように願ってしまった。それなのに叶えてくれなかった、なにが星に願いをだ。
ふざけないでほしい。
花瓶を割ってから数日が経った。
何も食べる気もしない、かといって眠ることも出来ず何もすることが出来なくて仕事にも行かなくなった私を心配して友達が家に来てくれた。
「あちゃ〜、酷い荒れようだねこりゃ。まあこうなるのも仕方ないか、とりあえず掃除してご飯食べよう!掃除しておくからお風呂入っておいで、お湯にでもゆっくり浸かってきな。」
そう言って半強制的に浴室に放り出されて何日かぶりのお風呂に入った。彼と最後に電話してから自分がどうやって過ごしてきたのか分からない。彼女が家に来なかったらこのまま孤独死していたのだろう、でもそれでいいとすら思う。
「なんでそれ、捨てていいよ。てか捨てて」
お風呂からあがると机の上にはあの日の花が丁寧にコップに活けてあった。
「なんでよ〜せっかく綺麗なのに!君この花ちゃんと知ってる?」
知ってる。もうこれ以上思い出させないで
「ハナニラっていうの。花言葉は恨み、卑劣、悲しい別れ、耐える愛。ネガティブな花言葉しかない珍しい花なんだよ〜きっとこの花を最初に見つけた人は失恋した後だったんだろうね、儚げな姿を自分と重ね合わせたのかな。この花彼岸花の仲間なんだよ」
…落ちが見つかりませんでした🥲🥲
ちょっと時間を置いて考えます
ハナニラの花は春に咲く花です、今日お散歩してて見つけたの
きっとどこにでも咲いている花だからみなさんも探してみてください( ¨̮ )
3/15/2023, 2:56:09 PM