涼しげな横顔、青を纏った風が、きみの髪を攫う。置きっ放しの教科書、求める蝉の叫びと泣き声。わたし、きみ、噛み殺した嗚咽。頬をなぞる涙。わたしと変わって、わたしになぞらせて。きみのその汚さも、可憐さも、いやに透明なその涙も、全部わたしが、掬ってあげるね。
1/16/2025, 11:22:09 AM