——本格的な闘病介護が、唐突に終わってしまった。
いつか遠くないうちに終わりが来ることはわかっていたけれど。
こんなに突然とは、思わなかった。
間欠泉のように悲しみが湧き、泣く。
……どうして、どうして。
どうして、こんな急に。
ひどいよ、ひどすぎるよ。
でも、よくよく振り返れば、予兆はあったんだ。
もうダメかと思った一ヶ月前が、きっと。
奇跡は、あの時に起きていたんだね。
この一ヶ月はエンジェル・タイムだったと思うと……、
恵まれていた、のかもしれない。
ああ、でも。
もうあの子が、辛い思いをしなくて良いのだと、そう思うけれど。
あの子がいないことは、
すごくすごく
さびしく、悲しい。
神様、ひどいよ。
どうしてあの子に、こんな過酷な運命を背負わせたの。
どうして今、あの子を連れ去ってしまったの。
私、まだ頑張れた。
あの子だって、私をずっと見ててくれた。
最後の最後だって、
ぐっ、とびっくりするような力で
お顔を、私の手のひらに埋めてきた。
別れたくないと、
あの子も思ってくれていたんだよ。
……でも、うん。
わかってる。
あの子の病気は、
種族全体の持病のようなもので
あの子は、たまたま生まれつき発病していたけれど
ケアが必須となる機能低下域になったのは近年で、進行はわりと遅めといえたから
あの子だけが、格別に『過酷』だったわけではない。
そして別れは——
形は違えど、生きとし生けるもの
すべてに等しく訪れるもの。
だから、どうしようもないこと。
ああ、だけど……。
——悔いが、残らないように。
そう思って、駆け抜けた日々だったけれど。
何をどうしたって、悔いは出る。
あの時、こうしていたら。
ああしていたら、もしかしたら。
どうして、あんなことしちゃったんだろう……。
反芻しては——
空に、かみつく。
神様、どうして……。
愛していた。
愛して、くれていた。
神様、
あの子と会わせてくれて、ありがとう。
あの子は、
とっても優しくて、ずっと可愛い、
そして
とても頑張り屋さんでした。
頑張って、生きてくれました。
とても頑張って、最後まで私のそばにいてくれました。
どうかどうか
たくさん褒めてあげてください。
そして永久の安らぎと幸せを、
どうかあの子にあげてください。
私があの子を迎えに行く日まで、
どうかどうか、よろしくお願いします。
……迎えに、行かせてくださいね?
会わせてくださいね!
でなかったら、この拳でブン殴……(略
——時間に追われるようになって
このアプリを開かなかった期間が三ヶ月、か。
あの子の時間軸だと、一年分。
よく、頑張ってくれた本当に。
……そしてあまりにタイムリーすぎるお題……
何なの、何の因果なの。
一日最後のお世話をとハッと目覚め、
……ああ、もうすることはないのだと——
ガランとした空虚さに落ちていきそうだったから、
ありがたいけれど。
不思議なものだ。
身が裂けるような
さびしさも、悲しみも。
今だけの、もの。
それらはいつしか、一抹の思いに変わり。
ただ、愛しさだけが残ることを知っている。
でも。
ずっとあなたの気配を、記憶を、
この家でリピートし続けることでしょう。
ずっとずっと。
誰よりも、何よりも、愛しているよ。
どうかどうか。
あなたの魂に幸せを。
また会う日まで。
どうか、ゆっくり待っていてね。
4/14/2024, 4:18:36 PM