フィロ

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君と出逢ったのは約 19年前

その頃の僕は、生きることに希望を持てなくなって、その僅かな命の光さえも失いつつあった

そんなある日、まだ産まれて間もない君が僕の元へやって来た
その希望しか宿していない大きな、真っ黒な瞳に見つめられた途端、僕は一瞬で君の虜になったんだ

君のような子との生活が生まれて初めてだった僕は、その日からというもの、ただひたすらに君を立派で健康な大人にするための勉強に取り組み、君の為だけに時間を費やしてきたんだったよね

君との生活が、それまで死んだように生きていた僕の毎日を一変させ、君の喜ぶ姿を見ることが僕の生き甲斐になったんだ!
生き甲斐だよ!
どうやってこの世界とお別れしよう、ということしか頭の中に無かった僕に、生き甲斐が出来たんだよ!


君との毎日は、それはそれは楽しいものだったね
君の為なら僕は何だって出来たし、君が怪我をしたり病気をした時は、僕の体の一部を分けてあげると本気で考えていたよ



そんな君との生活は、ちょうど17年を迎えた時、君は虹の橋を渡って行ってしまったんだ…

この僕をひとり残して…



ここでは、君とのことをもっともっと綴りたかったけれど、
僕の心の灯が消えてから2年
それは、君のことを語るにはとても短すぎるようだね

溢れる涙が止まらなくて、もうこの先を綴ることが出来なそうだよ…



でも、いつかきっと君との時間をしっかりと記して残すからね


今でも君を思わない日は無いよ



僕の最高のバディの愛犬へ




『君と出逢って』






5/6/2024, 4:30:44 AM