XXXX年X月25日
油断した。調査団の拠点に罠が仕掛けられているなど想像もしていなかった。人感センサーと銃を組み合わせて作られた即席のトラップが、拠点内部に仕掛けられていた。
未知の怪物が闊歩する都市なのだからそりゃあ警戒もしただろう。あの巨大な鯨骨相手にこの程度の銃火器でどうにかなるとも思えないが、気休めでも安全な場所を確保したい気持ちは分かる。
負傷者一名。私だ。側頭部を銃弾が掠め出血。直前に銃口に気付いたお陰で咄嗟に横へ動けたのが不幸中の幸いだった。二人揃って重傷を負うようなことがなくて良かった。
罠を後輩が解除し、頭部の応急手当の済んだところで探索を再開しようとしたところ、後輩に絶対安静を言い渡されてしまった。今は後輩が資料を漁っているのをやるせない気持ちで見守っている。再会してこのかた、情けない所しか見せられていないな。
8/25/2024, 9:26:51 AM