「あんたはそう、あれだ。あの、天才だ。会話の。」
「ええ?そう?」
あのお店のマスコットはどうしてうさぎなんだろね?
このボトルの溝。なんであるんだろね?
ここ、何のお店が出来るんだろね?
他の奴が聞いてきたら
さあ、とか。なんだろうな、とかで終わるような
とりとめのないつまらない時間になるだろう。
「楽しい。何を話しても。」
「ふふ。そっかあ。天才なんだ、私。」
やさしい、でもどこか遠くに心を置いてきたようなこの人の笑顔。好きだけど少し胸がざわざわする。
「でも、もしかしたら。」
急に体をこちらに向けてその整った顔で俺の視界をいっぱいにしてきた。なんだなんだ。
「それ、私が天才というより君が私のこと大好きだからかもしれないね。」
は、いや、まあそれはそうだけど。
大好きフィルターがかかるとどんなにつまらないことでも楽しかったり面白かったりするのか。
「私は君のこと大好きだからどんなお話してても楽しいよ。」
ひょっとしてこのやりとりも側からみたらつまらないことなのだろうか。
俺は、今、すごく楽しい。
つまらないことでも
8/4/2024, 4:34:36 PM