巡り会えたら桜舞い散る春に巡り会った、ある人がいた。青葉がきらめく季節、雲に隠れてしまった。行方知れずの彼を知る人はなく、はりぼての植物に水をやるばかりの日々。事の理由を知らされることも無く、唯再びの逢瀬を夢に見て季節を空費した。そうして季節は過ぎ去り、知らぬ間に蝉の鳴き声も聞こえなくなっていった。
10/4/2024, 9:37:18 AM