夏が近付くと思い出す。
陽が長くなってきて、部活の終わる時間も長くなる。
タ方と夜の境目みたいな、そんな時間に友達数人で
きゃいきゃい言いながら帰る道。
分かれ道、信号、家の前、立ち止まっては何気ない話を
いつまでも。明日も会うのにね。
思い出しもしない、思い出せないあの頃の私たちのお喋り
が、今でも胸のどこかでキラキラしている。
もう戻れない小さな思い出。
空はピンクから紫へ変わる。
紫から深い深い夜の闇へ。
『失われた時間』
5/13/2024, 2:16:32 PM