脆いけど、儚い。
大切に、そっと丁寧に扱わないと直ぐに壊れてしまう。
彼女は今日も眠っている。
規則正しい呼吸音で。
「ねぇ、まだ起きないのかい……?また君の笑顔を見たいよ」
なんて呼びかけても、目は覚めない。
今回は彼女が働いている職場によって、気を病んでしまったらしい。
精神が深く蝕まれ、そのショックで眠りについている。
「ごめん。そろそろ行く時間だよ。仕事、行ってくるね」
僕は彼女の艶やかな唇に引き寄せられるようにキスをしてから、家を出る。
――今回は、いつもよりも長そうだな……。
〜繊細な花〜
6/25/2023, 9:56:53 PM