青色の表紙のリングノート。それが、僕の日記帳だった。
権力者がユートピアからいなくなってから書き始めた日記帳はこのノートですでに二十冊を越えてしまった。
毎日毎日、彼女のことを思い出しながらエピソードを書いていく。彼女はどう思ったのか、どういうことを考えたのか、そんなことを予想しながら。
でも、もう既に分からなくなってきた。
彼女が消えた後にやってきた権力者ともそれなりに交流をした。もしかしたらそいつと彼女との思い出のように書き連ねてるかもしれない。
…………それを確認するすべももうないけれど。
8/26/2024, 3:47:49 PM