イカワさん

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「いつか戻るよ」
そんな無責任な言葉に私は微笑みと共に頷いた。

「適当なこと言わないで」「いつかっていつ?」泡のように膨らむ言葉を飲み込んだ。だって貴方が望む言葉ではないから。

その日から私の中心はなくなった。何のために動こうか?貴方が私を作っていたから、そんな貴方は無責任にも消えてしまったから。別に怒りは湧いてこない。この感情はなんだろう、言葉にするとしたら「無」だ。本当に何もない。辺り一面真っ白で片付いている。濃霧に包まれている。四方を越えられない壁が隔たっている。


貴方を待つために生きている。貴方が帰ってくるとこを信じている自分が段々萎れているのをみて見ぬふりをして自分を欺き続けている。




朝はやはりリールが一番。これが無くては固形化してしまう。蝋を見つめて外に飛び出すのが貴方の子供。朝食を足で摘みながら私は、はなりと考えた。ジェニーはロンドン…ラザニアはブリテン…カザールはカナリアン…。
待っている、まっている。いつかはいつ来ますか。いつとは何ですか。いつかはいつが来るんですよね。そうですか?そうですよね。貴方はそういった。私に。

1/15/2025, 1:35:37 PM